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私は一度、介護の仕事を辞めています。
特養を辞めたあと、介護業界の中で一度ほかの法人に転職しましたが、そこも続かず、介護業界を辞めました。
子どもと関わる仕事に移り、そのあと販売の仕事もしました。
しかし異業種でも続かずに、また介護に戻りました。
介護職を辞めてほかの業界に行こうか考えている方は、実際に辞めた人がその後どうなったのかを知りたいのだと思います。
先に結論を書きます。
結論。辞めてよかった。ただし私は戻ってきた
辞めたこと自体は、間違いではなかったと思っています。
あのまま続けていたら、もっと余裕をなくしていたと思います。
ただし私は、2年ほどで介護に戻りました。
そして、その理由は「介護のやりがいを思い出したから」ではありません。
介護ではない仕事のほうが、自分にはきつかったからです。
正直な話を書きます。
なぜ介護を辞めたのか
最初に就職したのは特別養護老人ホームでした。
2年以上勤めています。
辞めた理由は、いくつも重なっていました。
- 夜勤を含む不規則な勤務
- 認知症の方への対応
- 上司との関係
上司との関係でも、働きづらさを感じる出来事がありました。
ただ、一番堪えたのはそこではありません。
自分の対応が変わっていった
一番つらかったのは、自分の利用者への対応が粗雑になっていったことです。
疲れが抜けない状態が続くと、言葉が短くなります。
手つきも雑になっていきました。
自分で気づいていました。
気づいた上で、変えられませんでした。
高齢者と向き合うことが、つらくなっていた
そして、これは書くべきか迷った部分です。
当時の私は、高齢者の相手をすること自体が嫌になっていました。
利用者が悪いわけではありません。
ただ、あのときの私は消耗しきって、目の前の人と向き合う余裕をなくしていました。
そう感じるようになった時点で、限界だったのだと思います。
介護の仕事は、自分の状態が利用者への対応に出てしまうことがあります。
少なくとも私は、そうでした。
その状態で続けるより、一度離れた方がいい。
そう考えて、特養を辞めました。
このあと知人の紹介で小規模多機能に移りますが、そこも1年もたずに辞めています。
そして今度は、職場を変えるのではなく、介護業界そのものから離れることにしました。
高齢者とは正反対の、子どもと関わる仕事を選んだ
その後に選んだのは、子どもと関わる仕事でした。
理由は単純です。
高齢者と正反対の仕事をしてみたかったからです。
深く考えて選んだわけではありません。
とにかく、介護現場から離れてみたかった。
実際にやってみて
子どもと関わる仕事は、介護とはまったく違いました。
反応が早い。
できなかったことが、できるようになる。
変化が目に見えます。
高齢者介護では、加齢や疾患によって、それまでできていたことが難しくなる場面もあります。
その違いは、私が想像していたより大きいものでした。
「正反対の仕事をしてみたい」という気持ちで介護から離れたこと自体は、間違っていなかったと思っています。
ただし、仕事内容と働く環境は別でした
仕事の内容には満足していました。
一方で、私には働き方がかなり厳しく感じられました。
週6日働くこともあり、帰宅がかなり遅くなる日もありました。
そして、職場の雰囲気も体育会系だと私は感じていました。
このときはまだ、それが自分にとってどれだけ大きな問題なのか、はっきり分かっていませんでした。
次に選んだ販売の仕事で、無理だと分かったこと
そのあと、販売の仕事に移りました。
接客をして商品を売る仕事です。
ここで、自分に合わないものが少しずつ分かってきました。
個人の売上目標がありました
売上の目標があり、それが個人に割り振られていました。
達成できているかどうかが、数字ではっきり分かります。
私は、この数字を追い続ける働き方が苦手でした。
もちろん、介護の仕事でも利用者数や稼働率などの数字はあります。
ただ、私がそれまで経験してきた介護現場では、現場の介護職員個人が「自分の売上」を毎日追いかける働き方ではありませんでした。
この違いは、私にとってかなり大きなものでした。
売上を強く意識する環境でした
私が働いていた職場では、売上目標を強く意識して働く必要がありました。
目標に届いているのか。
あとどれくらい必要なのか。
数字で結果が分かります。
それが合っている人もいると思います。
私には向いていませんでした。
一つの目標を達成しても、また次の目標があります。
私は次第に、この働き方を続けるのは難しいと感じるようになりました。
ここで気づいたこと
2年ほど介護以外の仕事を経験して、分かったことがあります。
私がつらいと感じる原因は、仕事内容だけではありませんでした。
どちらも体育会系の雰囲気が自分には合わなかった
子どもと関わる仕事も、販売の仕事も、私には共通して感じられることがありました。
どちらも体育会系の雰囲気があり、販売の仕事では数字を強く求められました。
上下関係がはっきりしている環境や、気合や根性を求められる雰囲気。
そして、数字で結果がはっきり出る働き方。
私には、それが合いませんでした。
異業種でも同じようなところでつまずいた
ここで、特養を辞めたときのことを思い出しました。
私が消耗した原因は、夜勤や認知症対応だけではありませんでした。
職場の人間関係や雰囲気も大きな理由でした。
異業種に移ってからも、私は仕事内容とは別の部分で働きづらさを感じました。
- 子どもと関わる仕事では、勤務時間や職場の雰囲気
- 販売では、個人の売上目標や職場の雰囲気
業種はまったく違うのに、自分がつらいと感じる部分には共通点がありました。
そして、このあと私が介護に戻って選んだ職場も、事前に体育会系の雰囲気があると聞いていました。
それでも条件を優先して選び、最終的にはその職場も辞めています。
業界を変えても、自分に合わない環境を選べば同じことが起きる
これが、2年かけて分かったことです。
「介護がきついから、介護を辞める」
当時の私はそう考えました。
でも今振り返ると、介護そのものと、働いていた職場への不満を十分に分けられていませんでした。
つらさの原因が職場の雰囲気や働き方にあるなら、業界を変えるだけでは解決しないことがあります。
私は実際に、異業種でも似た部分で働きづらさを感じました。
※あわせて読む:介護に向いてないと20年思い続けて、まだ辞めていません
介護に戻った理由は「やりがい」ではありません
正直に書きます。
私が介護に戻ったのは、介護ではない仕事のほうが自分にはきつかったからです。
介護のやりがいを思い出したわけではありません。
「やっぱり人の役に立つ仕事がしたい」と再確認したわけでもありません。
私が経験した介護現場では、販売職のように個人の売上目標を追う必要がありませんでした。
その働き方の方が、自分には合っていると思いました。
だから戻りました。
消去法でした
かっこいい理由ではないと思います。
ただ、これが実際に起きたことです。
そして、消去法で戻ったからといって、そのあと介護の仕事が続かなかったわけではありません。
私は今も介護業界で働いています。
「やりがいがあるから続けている」わけではない
これは、介護を辞めようか迷っている方に伝えたいことです。
私は、仕事を続けるために強いやりがいが必ず必要だとは思っていません。
自分にとって耐えられない要素が少ない場所を選ぶ。
それだけでも、仕事は続けられることがあります。
介護の仕事でやりがいを実感できる環境で働けるなら、それは理想的だと思います。
ただ、私のように特別なやりがいを感じていなくても、仕事内容や働き方が自分に合っていれば、続けられる人もいます。
私はそのタイプでした。
20年働いて分かったこと
私はそのあとも何度か転職しています。
これまでの転職は合わせて5回です。
そして、自分が仕事を辞めた理由を並べてみると、ある程度の偏りがありました。
職場の人間関係や働き方が、退職理由に何度も関係しています。
私の場合、合わないのは職種だけではなかった
介護そのものが本当に嫌なら、私は20年も続いていなかったと思います。
私が苦手なのは、
体育会系の雰囲気が強い職場や、数字を強く求められる働き方でした。
これは介護業界以外にもありますし、介護業界の中にもあります。
私は介護現場に戻ったあと、体育会系の雰囲気があると事前に聞いていた職場を選んだことがあります。
知っていたのに、ほかの条件を優先しました。
そして、その職場も最終的には辞めています。
そのときの詳しい話は、別の記事に書いています。
※あわせて読む:ケアマネを辞めて介護現場に戻った結果。2年半で限界がきた理由と、戻ってから起きたこと
介護を辞める前に、私は今なら原因を分けて考える
もし今「介護を辞めたい」と思っているなら、私ならまず、
「介護そのものが嫌なのか」
それとも、
「今の職場の働き方や人間関係が嫌なのか」
を分けます。
ここを分けないまま業界を出ると、私のように異業種でも似た部分でつまずくことがあります。
もちろん、本当に介護そのものが合わないなら、異業種へ行く選択肢もあります。
ただ、職場の人間関係、残業、夜勤、入浴介助、レクリエーションなど、特定の負担が原因なら、同じ介護業界でも仕事内容が大きく違う職場があります。
私はそれを、何度も転職してから知りました。
※あわせて読む:介護職を辞めたいのは甘え?5回転職した私が思うこと
それでも、一度介護を辞めてよかったと思っています
ここまで読むと「介護を辞めるな」という話に見えるかもしれません。
そうではありません。
私は、一度介護業界から出てよかったと思っています。
外に出たからこそ、分かったことがあるからです。
- 私が経験した介護現場では、販売職のように個人の売上目標を追う必要がなかった
- 業界を変えても、職場の雰囲気が自分に合わなければつらくなる
- 自分が耐えられない働き方を少しずつ言葉にできるようになった
介護業界の中にいるだけでは、ほかの仕事と比べることができませんでした。
そして、あのとき介護を辞めていなければ、余裕をなくした状態で利用者と向き合い続けていたと思います。
一度離れたことには意味がありました。
私は、辞めたことを後悔していません。
そして、介護に戻ったことも後悔していません。
まとめ。介護を辞める前に「何が嫌なのか」を分けてみる
介護職を辞めて異業種で2年ほど働き、私は介護に戻りました。
辞めてよかったこと
- 消耗した状態から一度離れられた
- 介護と異業種の働き方を比較できた
- 自分に合わない働き方が少しずつ分かった
介護に戻った理由
- 異業種の働き方の方が自分にはきつかった
- 私が経験した介護現場では、個人の売上目標を追う必要がなかった
- 「介護のやりがい」を再確認したからではない
もし今、介護を辞めるか迷っているなら、私はこの順番で考えます。
- 嫌なのは「介護の仕事内容」なのか、「今の職場の働き方」なのか
- 職場が原因なら、同じ介護業界でも環境を変えれば解決できないか
- 自分がどうしても耐えられないものを、具体的に言葉にできるか
私は3番目が一番大切だと思っています。
そして、自分が何に耐えられないのかを理解するまでに、私はかなり時間がかかりました。
異業種へ転職すること自体が悪いとは思いません。
私自身、一度外に出たから分かったことがあります。
ただ、「今の職場が嫌=介護業界を辞めるしかない」とは限りません。
異業種へ出る前に、同じ介護業界にどんな職場があるのかを一度見ておく。
そのうえで、
「やっぱり介護から離れたい」
と思うなら、それも一つの選択肢だと思います。
私は一度業界を出て、2年ほどで戻りました。
今振り返ると、当時の私は「介護が嫌なのか」「その職場が嫌なのか」を、十分に分けて考えられていませんでした。
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