家族の介護・施設選び

通院の付き添いはヘルパーに頼める?元ケアマネが見てきた【病院の中】で困ること

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親の通院に付き添えないとき、「介護保険のヘルパーさんに頼めないだろうか」と考える方は多いと思います。

私は介護の仕事を20年続けてきました。その中で、居宅のケアマネジャーとして、通院のことで困っている家族の相談を受けてきました。

相談を受けていた側として、介護保険でできることとできないこと、困りごと別の相談先、私が提案していた方法と、そのときの家族の反応を書きます。

結論。病院までは行けても、病院の中で困ることが多かった

先に結論を書きます。

私が相談を受けていて多かったのは、介護タクシーで病院までは行けても、病院の中で困るという話でした。

  • 病院の中の移動
  • 医師の説明を理解して、覚えて帰ること
  • 薬の受け取り

私が担当していたケースでは、こうした病院の中のことは、介護保険のサービスでは適用外でした。

病院の中の介助は、基本的に病院のスタッフが対応するものとされています。ただし、本人の状態や病院の対応によっては、介護保険の対象になる場合もあります。くわしくは、あとで書きます。

家族から聞いた困りごと。医師の話を覚えて帰れない

家族からよく聞いた困りごとの一つが、「本人が医師の話をしっかり覚えていない」ということでした。

介護タクシーで病院まで行き、一人で診察を受けることはできても、医師から聞いた話を家に持ち帰れないのです。

診察で聞いた話を本人が覚えていないと、薬の飲み方や次の受診日、家で気をつけることが、家族に伝わりません。病院まで行けても、医師の話を持ち帰れなければ、家族は困ってしまいます。

介護保険のヘルパーが、通院でできること

介護保険の訪問介護では、通院のときに次のような手助けを受けられます。

  • 出かける前の準備(着替えなど)
  • 自宅から病院までの移動や、車の乗り降りの介助
  • 病院から自宅に帰るまでの介助

介護タクシーのように、ヘルパーの資格を持つ運転手が乗り降りを手伝う形(通院等乗降介助)もあります。この場合、介護保険が使えるのは乗り降りの介助の部分で、タクシーの運賃は別に払います。

病院の中の付き添いは、基本的に病院のスタッフが対応する

病院の中の付き添いは、厚生労働省の通知で「基本的には院内のスタッフにより対応されるべきもの」とされています。診察を待っている時間や、診察を受けている時間は、原則として介護保険の対象になりません。

ただし、病院の中の移動に介助が要る、認知症などで見守りが要る、排せつの介助が要るなど、本人に介助が必要な状態で、病院のスタッフでは対応が難しい場合は、介護保険の対象になる場合があります。その場合も、ケアマネが必要性を確認し、病院や関係者と調整して、ケアプランに位置づけたうえでのことです。

対象になるかどうかは、住んでいる市区町村やケースによって違います。

(出典:厚生労働省 平成15年5月8日 老振発第0508001号・老老発第0508001号、平成22年4月28日 事務連絡「訪問介護における院内介助の取扱いについて」をまとめた世田谷区の資料) https://www.city.setagaya.lg.jp/documents/2311/29646_1.pdf

家族が付き添えないとき、まず何をすればいい?

いきなり自費のサービスを探す前に、まず病院とケアマネに相談して、介護保険や病院の手助けでどこまで対応できるかを確かめるのがよいと思います。

困っていることごとに、まず相談する先をまとめました。

困っていることまず相談する先
病院まで行けない担当のケアマネ、訪問介護事業所、介護タクシー
病院の中を一人で移動できない病院の相談窓口、担当のケアマネ
医師の説明を理解できない・覚えて帰れない病院(家族が電話で説明を聞けるか、説明を紙にしてもらえるかなど)、担当のケアマネ
薬の受け取りが難しい病院・薬局、担当のケアマネ
家族がどうしても付き添えない病院、担当のケアマネ、市区町村の窓口、保険外の付き添いサービス

市区町村によっては、病院の中の付き添いを手伝う独自のサービスがあるところもあります。地域のボランティア団体が通院を手伝っている場合もあります。

それでも難しいときに、自費のサービスを考える、という順番がよいと思います。

私が家族に提案していたこと

病院の中の付き添いが介護保険では難しいとき、私は何でも屋に頼む方法を提案していました。

料金は、1時間3,000円くらいだったと覚えています。ただし、これは10年ほど前の話です。

「自費は高い」と言われて、使われなかった

正直に書くと、提案しても「自費は高い」と言われ、使われないことがほとんどでした。

介護保険のサービスは、料金の一部を負担すれば使えます。それに比べると、全額を自分で払う自費のサービスは、高く感じるのだと思います。

今の料金の目安

今の料金も、いくつか調べてみました。私が使ったことのあるサービスではないので、目安として見てください。

  • みんなの介護の記事では、自費のサービスは1時間2,500円〜3,500円くらいの事業所が多いと紹介されています
  • 自費訪問介護のクラウドケアは、1時間2,750円からとしています
  • 病院・通院付き添いサービスのこころのカンパニーは、1時間4,840円(税込)、2時間からとしています

料金や条件は変わることがあるので、使うときは各サービスのページで確認してください。

(出典:みんなの介護「ヘルパーの病院付き添い時の料金は実費?」 https://www.minnanokaigo.com/ /クラウドケア https://www.crowdcare.jp/ /こころのカンパニー https://kokorono.co.jp/ ※記事を書いた日に確認)

介護の手助けも頼みたいときは

何でも屋は、介護の資格を持った人が来るとは限りません。病院の中での移動の介助や、トイレの手伝いなども頼みたいときは、介護の資格を持つ人が来る、保険外の訪問介護サービスもあります。

イチロウは、介護の資格を持つ人に、通院の付き添いなどを頼める保険外の訪問介護サービスです。対応している地域が限られているので、住んでいる地域で使えるかは、公式サイトで確認してください。

まとめ

通院の付き添いは、介護保険のヘルパーにも頼めます。ただ、頼めるのは主に自宅から病院までの移動や乗り降りで、病院の中の付き添いは基本的に病院のスタッフが対応するものとされています。本人の状態や病院の対応によっては、介護保険の対象になる場合もあります。

ケアマネだった私が相談を受けていて多かったのも、病院までは行けても、病院の中の移動や、医師の説明を覚えて帰ること、薬の受け取りで困るという話でした。

家族が付き添えないときは、まず病院と担当のケアマネに相談してみてください。そのうえで難しければ、自費のサービスを考える、という順番がよいと思います。私が何でも屋を提案したときは、「自費は高い」と言われて使われないことがほとんどでした。使うかどうかは、料金を確かめてから決めてください。

はんぱぱ

介護福祉士。介護職20年、5回転職。特養、小規模多機能、デイサービス、居宅ケアマネを経て、現在はデイケア勤務。一度は業界を離れ、2年後に戻りました。辞めることも残ることも、どちらも選択肢として書いています。

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