私は介護職として20年働いて、5回転職しました。
その中で唯一、1年もたずに辞めた職場があります。
小規模多機能型居宅介護です。
「小規模多機能を辞めたい」と検索してここに来た方は、今まさに続けるかどうかを迷っているのだと思います。
先に結論を書きます。
結論。辞めた理由は、小規模多機能という仕事そのものではなかった
小規模多機能では、
- 通い
- 宿泊
- 訪問
を組み合わせて利用者の生活を支えます。
そのため、業務の幅が広く、急な対応が必要になることもあります。
ただ、私が辞めた一番の理由は、小規模多機能というサービス形態そのものではありませんでした。
私には、その事業所の働き方や方針が合いませんでした。
そして今振り返ると、その一部は入る前に確認できたことだったと思います。
私は確認しませんでした。
理由は、知人の紹介で入ったからです。
求人を見て応募したわけではなかった
特別養護老人ホームを辞めたあと、私は知人から、
「うちで働いてみないか」
という趣旨の誘いを受けました。
そのときに入ったのが、この小規模多機能でした。
パート勤務です。
知人からの紹介だった
求人サイトを見て、いくつもの職場を比較して応募したわけではありません。
私に声をかけてくれたのは、趣味を通じて知り合った人でした。
そのため私は、
「知っている人からの紹介だから大丈夫だろう」
と考えていました。
今振り返ると、これが失敗でした。
紹介してくれた人のことは知っていました。
しかし、
- 実際の働き方
- 休憩の取り方
- 事業所の方針
- 介助方法
- 職員同士の関係
までは知りませんでした。
それなのに私は、求人に応募するときなら確認していたはずのことを、ほとんど確認せずに入職しました。
入ってみて分かったこと
働き始めると、私には合わないと感じる部分が少しずつ見えてきました。
ここからは、私が実際に働いて感じたことを書きます。
休憩と仕事の区切りをつけにくかった
私が働いていた事業所では、職員が利用者と同じ空間で食事をとる形でした。
そのため、食事中も利用者の様子が目に入ります。
何かあれば対応することもありました。
私にとっては、
「今は仕事」「今は休憩」
という区切りをつけにくい環境でした。
もちろん、すべての小規模多機能が同じだとは思っていません。
あくまで、私が働いていた事業所での経験です。
ただ、入職前の私は「休憩をどこで、どのように取るのか」まで確認していませんでした。
今なら必ず確認します。
介助方法が自分には合わないと感じることがあった
介護には、さまざまな介助方法があります。
私が働いていた事業所でも、一定の方法や考え方に沿って介助することが求められていました。
ただ、職員によって、
- 身長
- 体格
- 力
- 経験
- 得意な介助方法
は違います。
私は働く中で、
一つの方法をそのまま全員で行うことに難しさを感じる場面がありました。
方法そのものを否定したいわけではありません。
私自身が、その事業所の介助に対する考え方と合わなかったということです。
これも、入職前に、
「介助方法はどのように決めていますか」
「職員によって方法を調整することはありますか」
と聞いていれば、少しは分かったかもしれません。
職場の方針にも、自分とは合わない部分があった
小規模な事業所では、管理する立場の人との距離が近くなります。
私が働いていた事業所でも、日々の働き方や職員の役割について、事業所としての考え方がありました。
働いていく中で、
その考え方と、自分が働きやすいと感じる環境には違いがある
と思うようになりました。
どちらが正しい、間違っているという話ではありません。
職場にはそれぞれ方針があります。
ただ、その方針が自分に合うかどうかは、長く働くうえで大きいと感じました。
問題が起きたときの対応も、入る前には分からなかった
介護の仕事をしていると、利用者や家族との間で意見が食い違うことがあります。
何か問題が起きることもあります。
私にとっては、そういうときに、
職員が相談しやすく、対応方針を共有できる職場かどうか
が重要でした。
実際に働いてみて、その部分についても自分には合わないと感じるようになりました。
こうしたことが一つだけではなく、いくつか重なりました。
そして私は、1年もたずに退職しました。
夜勤については、私は経験していない
小規模多機能について調べていると、
「夜勤がきつい」
「宿泊対応が大変」
といった話も出てきます。
ここは、自分の経験と分けて書いておきます。
私はパート勤務だったため、小規模多機能での泊まりや夜勤は経験していません。
そのため、小規模多機能の夜勤が実際にどれくらい大変なのかを、自分の経験として評価することはできません。
夜勤に入る可能性がある方なら、
- 夜勤は何人体制か
- 何人の利用者を担当するのか
- 休憩や仮眠はどのように取るのか
- 夜勤手当はいくらか
- 緊急時の連絡体制はどうなっているか
などを入職前に確認しておいた方がいいと思います。
小規模多機能そのものが悪いわけではない
ここは、はっきり書いておきたい部分です。
私は「小規模多機能だから辞めた」わけではありません。
私が働いていた事業所の働き方や方針と、自分が合わなかったという話です。
サービス形態の特徴と、職場の働きやすさは別
小規模多機能には、
- 通い
- 宿泊
- 訪問
を組み合わせながら、利用者の生活を継続して支えるという特徴があります。
一人の利用者にさまざまな場面で関われることを、魅力に感じる人もいると思います。
一方で、
同じ「小規模多機能」でも、職場が違えば働き方も違います。
休憩の取り方も違います。
夜勤体制も違います。
介助方法も違います。
職員同士の関係も違います。
だから、
「小規模多機能は大変なのか」
だけではなく、
「自分が働こうとしている事業所はどうなのか」
を見ることが大切だと思います。
※あわせて読む:デイサービスを辞めたい。2回辞めて分かった、辞めていい職場と待てる職場
紹介での入職が作った「知っているつもり」
ここからは、私自身の失敗について書きます。
私は知人の紹介で入りました。
そのときの私は、この職場のことをある程度知っているつもりになっていました。
でも実際に知っていたのは、
紹介してくれた人のことでした。
人を知っていることと、職場を知っていることは違う
紹介してくれた人との関係に問題があったわけではありません。
しかし、
その人を知っていることと、その人が働いている職場を知っていることは別です。
その人が問題なく働けていても、自分にも同じ職場が合うとは限りません。
紹介で入ること自体が悪いとは思いません。
私が失敗したのは、
「紹介だから」という理由で職場を確認する作業を省いてしまったこと
です。
求人サイトから応募するなら、
「勤務時間は?」
「休憩は?」
「仕事内容は?」
と確認していたはずです。
ところが紹介というだけで、それをほとんどしませんでした。
辞めたあとも、顔を合わせる相手だった
これも、入る前には考えていませんでした。
退職後、紹介してくれた人と顔を合わせる機会がありました。
以前とまったく同じ関係だったかというと、私はそうは感じませんでした。
ただし、これはあくまで私の場合です。
紹介で入った職場を辞めれば、必ず人間関係が悪くなるという話ではありません。
それでも、
知人からの紹介なら、退職後もその人との関係が続く可能性がある
ということは、入職前に考えておいてもよかったと思います。
私が入る前に確認すべきだったこと
私が確認しなかったことを、今なら次のように整理します。
| 確認すること | 確認したい理由 |
|---|---|
| 休憩の取り方 | どこで、どのように休憩するのか |
| 泊まり・夜勤の体制 | 人数、担当利用者数、仮眠・休憩、手当など |
| 介助方法 | どのように方法を決め、職員ごとに調整できるのか |
| 職員の定着状況 | 長く働いている職員がいるか |
| 管理者との距離 | 困ったときに相談できる体制があるか |
| 職場の方針 | 自分が大切にしたい働き方と合っているか |
| 紹介者との関係 | 退職した場合にも関係が続く相手か |
全部を見学だけで知るのは難しいと思います。
だからこそ、分からない部分は質問する必要があります。
特に私は、
「休憩はどこで、どのように取っていますか」
という質問をしておけばよかったと思っています。
求人票に「休憩○分」と書いてあっても、実際にどのように休んでいるのかまでは分からないからです。
今、小規模多機能を辞めるか迷っている方へ
私は1年もたたずに辞めました。
その判断自体は後悔していません。
ただし、
「短期間で辞めても何も問題ない」
と言いたいわけでもありません。
短期間で辞めた理由は、自分の中で整理した
私の場合、5回の転職の中で1年未満だったのは、この職場だけです。
その後の転職では、この短い在籍期間について説明する場面もありました。
私は、
知人からの紹介だったことで、自分が職場について十分に確認せず入職してしまった
という自分側の反省も含めて説明しました。
「前の職場が悪かった」
だけで終わらせるのではなく、
自分は何を確認せず、次から何を変えるのか
まで整理しておくことが大切だと思っています。
在籍期間だけで、辞めるかどうかを決める必要はない
私は最初に働いた特養では、
「一度就職したのに、すぐ辞めるのは良くない」
と考えていました。
その結果、余裕をなくすまで働き続けました。
利用者への自分の対応にも影響が出るようになりました。
今振り返ると、
在籍期間だけを理由に我慢する必要はなかった
と思っています。
大切なのは、
「まだ○か月しか働いていない」
だけで判断することではなく、
何がつらいのか、その問題を今の職場で変えられるのか
を考えることだと思います。
※あわせて読む:介護職を辞めたいのは甘え?5回転職した私が思うこと
まとめ。紹介でも、職場そのものを確認する必要があった
私は小規模多機能を1年もたずに辞めました。
ただ、小規模多機能というサービスそのものが嫌で辞めたわけではありません。
私が働いていた事業所の働き方や方針と、自分が合わなかったことが大きな理由です。
そして、そこから一番学んだのは、
人を知っていることと、職場を知っていることは違う
ということでした。
私は紹介というだけで、
- 休憩の取り方
- 介助方法
- 職場の方針
- 実際の働き方
を十分に確認せず入職しました。
紹介で入ることが悪いわけではありません。
ただ、紹介だからこそ安心して、確認を省いてしまうことがあります。
私はそれで失敗しました。
今なら、紹介でも通常の転職でも、
「自分が次の職場で何を重視するのか」を決めてから比較します。
小規模多機能を辞めたいと思っているなら、まず、
「小規模多機能そのものが合わないのか」
それとも、
「今の事業所の働き方が合わないのか」
を分けて考えてみてください。
同じ介護職でも、職場によって仕事内容や働き方はかなり変わります。
すぐに辞めると決める必要はありません。
一方で、今の職場だけを見て、
「介護の職場はどこも同じ」
と決める必要もないと思います。
求人を見るだけでも、
「同じ小規模多機能でも条件が違う」
「別のサービス形態なら、今負担に感じている仕事が少ない」
といった比較材料になります。
私は紹介だけで次の職場を決めて、確認を省きました。
だから今なら、求人票だけで決めず、自分でも調べながら、必要であれば転職サービスなども使って複数の職場を比較します。
転職エージェントも情報を集める方法の一つですが、担当者によって情報量や対応には差があります。
「今の職場から離れたい」だけではなく、「次の職場では何を変えたいのか」を決めて比較する。
5回転職した今なら、私はそうします。
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