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介護職として20年働いて、5回転職しました。
一度は介護業界そのものを離れ、また戻ってきています。
「介護職を辞めたい。でも、こんな理由で辞めるのは甘えなのではないか」
そう思って検索している方もいると思います。
先に結論を書きます。
結論。甘えかどうかより、「限界になっていないか」で考える
甘えかどうかを考える前に、今の自分が限界になっていないかを確認した方がいい。
私はそう思っています。
私が最初に辞めた特別養護老人ホームでは、かなり余裕をなくすまで働き続けました。
その結果、何が起きたか。
自分の利用者への対応が粗雑になっていきました。
そこまでいくと、もう自分だけの問題ではありません。
だから、先に確認するべきなのは、
「自分は甘えているのか」
ではなく、
「この状態で仕事を続けて大丈夫なのか」
だと思っています。
私は「甘え」だとは思っていませんでした
正直に書くと、当時の私は自分を「甘えている」とは思っていませんでした。
思っていたのは、少し違うことです。
一度就職したのに、すぐ辞めるのは良くないことだ。
この感覚でした。
「甘え」ではなく「良くないこと」
誰かにそう決めつけられたわけではありません。
自分の中にあった基準です。
- 一度就職した場所を、簡単に離れてはいけない
- 続けられないのは、自分の努力が足りないからではないか
そんなふうに考えていました。
その考えが、辞める判断を遅らせました。
言われたのは「もったいない」だった
周囲から「甘え」と言われた記憶はありません。
ただ、こう言われることはありました。
「せっかく就職したのに、もったいない」
言った人に悪意があったとは思っていません。
ただ、当時の私はその言葉を聞くと、
「もう少し続けた方がいいのかもしれない」
と考えていました。
自分を責める言葉は、人によって違う
「甘え」で検索している人の中には、辞めたい自分を責めている人もいると思います。
私の場合は「辞めるのは良くないこと」でした。
言葉は違います。
でも、
「辞めたいのは自分に問題があるからではないか」
と考えてしまう点は似ています。
そして、自分を責めている間にも、仕事の状況は続いていきます。
我慢した結果、どうなったか
特別養護老人ホームには、2年以上いました。
私が負担に感じていたのは、
- 夜勤を含む不規則な勤務
- 認知症の方への対応
- 上司との関係
などです。
いくつかのことが重なり、私は少しずつ余裕をなくしていきました。
一番堪えたのは、自分の変化でした
心身に余裕がない状態が続くと、私の場合は利用者への言葉が短くなっていきました。
手つきも雑になりました。
自分で気づいていました。
それでも、その状態をうまく変えられませんでした。
そして最終的には、高齢者と向き合うこと自体がつらくなっていました。
利用者が悪いわけではありません。
私自身が消耗して、目の前の人に丁寧に向き合う余裕をなくしていました。
介護の仕事は、自分の状態が利用者への対応に出ることがある
これは、私が介護を続けてきて感じていることです。
余裕をなくしている状態が続けば、利用者への対応にも影響が出ることがあります。
少なくとも、私はそうなりました。
だから今振り返ると、
「すぐ辞めるのは良くない」と考えて、そこまで我慢する必要はなかった
と思っています。
辞めることだけが問題なのではありません。
続けることで、自分や利用者への影響が大きくなっていないかを見る必要があります。
まず、限界に近づいていないかを確認する
だから私は、考える順番があると思っています。
仕事の影響が心身や利用者対応にまで出ているなら、
「甘えなのか」を考えるより先に、その状態から距離を取る方法を考えた方がいい。
私自身に起きていたのは、
- 利用者への言葉や手つきが、自分でも分かるほど雑になっていた
- 仕事への強い嫌悪感が出ていた
- 高齢者と関わること自体がつらくなっていた
という変化でした。
こうした状態になっているなら、自分を責め続けるより、まず働き方を見直す必要があります。
私はその後、ケアマネジャーとして働いていた別の時期に、心療内科へ通うことにもなりました。
特養時代とは別の時期の出来事なので、両者の因果関係は分かりません。
ただ、20年働いた今は、
仕事の影響が心身に出るまで我慢する必要はなかった
と思っています。
限界まで我慢してから動くのではなく、その前に選択肢を持っておく。
今はそう考えています。
※あわせて読む:介護に向いてないと20年思い続けて、まだ辞めていません
ただし、限界の前なら「辞めるだけ」で解決するとは限らない
ここからは、私自身の失敗について書きます。
私はこれまで5回転職しています。
転職そのものを後悔しているわけではありません。
ただ、
職場を変えれば、今抱えている問題がすべて解決するわけではありませんでした。
私は似たような理由で何度も転職しました
これまで辞めた理由を並べてみると、ある程度の偏りがあります。
職場の人間関係や働き方が、退職理由に何度も関係しています。
これは、ブログを書くために自分の転職歴を整理していて気づいたことです。
当時は、一つひとつ別の問題だと思っていました。
でも並べてみると、自分がどんな環境を苦手としているのかが少しずつ見えてきました。
職場を変えても、人間関係の悩みがなくなるとは限らない
以前の私は、
「あの人と合わないから職場を変えたい」
と思うことがありました。
もちろん、特定の人との関係から離れることで状況が改善することはあります。
ただ、
職場を変えれば、人間関係の悩みがすべてなくなるわけではありません。
私自身、転職先でも別の人間関係や職場環境に悩みました。
一度は介護業界そのものを離れています。
それでも、異業種の職場で働きづらさを感じることがありました。
業界を変えるだけでは解決しなかった問題が、私にはありました。
「職場ガチャ」を回し続けないために
私は何度も転職する中で、少しずつ考え方を変えるようになりました。
それは、
「相手や職場が悪い」で終わらず、自分に変えられることがないかも考えることです。
ある日突然、変わったわけではありません
何か一つの出来事があって、突然考え方が変わったわけではありません。
長い年月をかけて、少しずつです。
今でも完全にできているとは思っていません。
嫌なことがあれば、当然腹も立ちます。
「あの人が悪い」と思うこともあります。
ただ、そのあとに、
「自分に変えられる部分はなかったのか」
も考えるようになりました。
自分で変えられることもある
たとえば、
- 自分の伝え方を変える
- 上司以外の人にも相談する
- 担当変更や異動ができないか確認する
- 自分が何を嫌だと感じているのか整理する
こうしたことなら、自分から動ける場合があります。
以前の私は、そこを十分に考えないまま、
「この職場は合わない」
と判断していたこともありました。
自分を変えないまま職場だけ変えると
新しい職場に行く。
最初はよく見える。
しばらくすると、合わない部分が見えてくる。
そしてまた、
「ここも合わない」
と思う。
私はこれを何度か繰り返しました。
だから今は、
転職する前に「次の職場では何を変えたいのか」をできるだけ具体的にする
ようにしています。
当たりの職場を探すというより、
「自分が何に耐えられないのか」
を知る方が大切だと思うようになりました。
※あわせて読む:小規模多機能を1年もたずに辞めた話。入る前に確認すべきだったこと
ただし、自分を責めればいいわけではない
ここは強調しておきたい部分です。
「全部自分のせいだ」と考えるのも違います。
自分の工夫だけでは変えられないこともあります。
自分だけでは変えられないこともある
たとえば、
- 自分だけでは解決できない上司との関係
- 利用者から繰り返される強い言葉
- 職場に相談しても、自分が置かれた状況が変わらない場合
こうした問題まで、
「自分の考え方を変えればいい」
と処理する必要はないと思っています。
私自身、以前の職場で特定の利用者への対応に大きな負担を感じたことがあります。
私は状況を文書にまとめて職場へ伝えました。
しかし、少なくとも私がその利用者への対応を続ける状況は変わりませんでした。
これは、
「自分の受け止め方だけを変えればいい」
と考えて解決できる問題ではないと、私は感じました。
環境を変えることも選択肢の一つ
自分に変えられる部分を考えることは、我慢を続けるためではありません。
自分で変えられることと、自分だけでは変えられないことを分けるためです。
自分でできることを試しても状況が変わらない。
あるいは、それを試せる状態ではないほど消耗している。
そういう場合には、
異動や転職など、環境そのものを変えることも選択肢になります。
私も、環境を変えました
私の場合、ケアマネジャーの資格を取って職種を変えたことがあります。
介護現場を離れて、別の立場から介護に関わりました。
結果的には、そのケアマネも2年半で辞めています。
だから、
「職種を変えればすべて解決した」
という話ではありません。
それでも、動いたこと自体を後悔しているわけではありません。
経験したからこそ、
「自分には何が合わないのか」
が少しずつ分かるようになりました。
私が今なら考える順番
5回転職した今なら、「介護職を辞めたい」と思ったときは、次の順番で考えます。
1.仕事の影響が心身や利用者対応にまで出ていないか
すでに余裕をなくしているなら、無理に原因分析を続けるより、休む・相談する・離れることを優先します。
2.まだ考える余裕があるなら、何が嫌なのかを分ける
介護そのものなのか。
夜勤なのか。
入浴介助なのか。
レクリエーションなのか。
上司との関係なのか。
残業なのか。
職場の雰囲気なのか。
原因によって、選択肢は変わります。
3.自分で変えられることがあるか考える
伝え方、相談先、担当変更、異動など、自分からできることがないか考えます。
4.自分だけでは変えられないなら、環境を変えることも考える
ここまで分けてから、転職するのか、異動するのか、介護そのものから離れるのかを考えます。
私は以前、この順番で考えられていませんでした。
「辞めるのは良くない」
と考えて、必要以上に我慢したこともあります。
反対に、
「この職場が嫌だから辞める」
と、次の職場で何を変えたいのか整理しないまま転職したこともあります。
5回転職した今は、
辞めること自体より、何を変えるために辞めるのかの方が大切
だと思っています。
まとめ。介護職を辞めたい気持ちを「甘え」だけで片づけない
「介護職を辞めたい」と思うことを、私は「甘え」の一言で判断できるとは思っていません。
それよりも、
今の自分がどの状態にいるのか
を見る方が大切です。
私なら、次のように考えます。
- 心身や利用者対応に影響が出ているなら、まずその状態から離れる方法を考える
- まだ考える余裕があるなら、何が嫌なのかを具体的にする
- 自分で変えられることがあるなら試してみる
- 自分だけでは変えられないなら、異動や転職も選択肢にする
私は5回転職しました。
同じような理由で悩んだこともあります。
自分の考え方を変えないまま職場だけ変えても、解決しなかった問題がありました。
一方で、
自分だけが変われば、すべて解決するわけでもありませんでした。
だから今は、
「自分に変えられること」
と、
「自分だけでは変えられないこと」
を分けて考えます。
もし今、まだ考える余裕があるなら、すぐに退職を決める必要はありません。
ただ、今の職場しか知らない状態で、
「介護の仕事はどこも同じ」
と思い込む必要もありません。
まずは求人を見るだけでも、
「夜勤のない職場がある」
「入浴介助の少ない仕事がある」
「今より残業が少ない職場がある」
といった比較材料になります。
私は一人で次の職場を決めて、選び方を間違えたことがあります。
だから今なら、
「辞めるかどうか」を決める前に、「ほかにどんな働き方があるのか」を知るところから始めます。
転職エージェントも、そのために使える方法の一つです。
ただし、担当者によって情報量や対応には差があります。
求人票、自分で調べた情報、転職サービスなどを組み合わせながら、
「今の職場から逃げるため」ではなく、「次は何を変えたいのか」を基準に比較する。
5回転職した今なら、私はそうします。