家族の介護・施設選び

訪問介護でできないこと一覧。元ケアマネが実際に相談された4つの事例

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「ヘルパーさんに、ついでにこれも頼めないだろうか」と思ったことはありませんか。

私は介護の仕事を20年続けてきました。その中で、居宅のケアマネジャーとして、利用者さんや家族から、介護保険のヘルパーには頼めないことを相談されることがありました。

この記事では、ヘルパーに頼めること・頼めないことを表にまとめたうえで、私が実際に相談された4つのこと、大掃除、墓掃除、ベッドの組み立て、粗大ごみについて書きます。通院の付き添いについては、別の記事に書きました。

※あわせて読む:通院の付き添いはヘルパーに頼める?元ケアマネが見てきた【病院の中】で困ること

結論。頼み先を提案しても、使われることはほとんどなかった

先に結論を書きます。

ヘルパーには頼めないことを相談されたとき、私は何でも屋や代行業者に頼む方法を提案していました。

ただ、私が提案した頼み先が実際に使われることは、ほとんどありませんでした。子どもがしてくれることになったり、「お金がかかるのが嫌」と言われたりしたからです。粗大ごみのように、家族が自分で業者を探して頼んだこともありました。

介護保険の訪問介護で、原則として頼めないこと

介護保険の訪問介護で、ヘルパーが手伝える家事は、「本人のための、日常生活の援助」が基本です。

厚生労働省の通知では、次のようなことは、一般的に介護保険の家事の手伝いには含まれないとされています。

日常的な家事の範囲を超えること

  • 家具・電気器具などの移動、修繕、模様替え
  • 大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ
  • 家の修理、ペンキ塗り
  • 植木の剪定などの園芸
  • お正月や節句などのために、特別な手間をかけて作る料理

ヘルパーがしなくても、日常生活に困らないと考えられること

  • 草むしり
  • 花木の水やり
  • 犬の散歩などのペットの世話

本人のための援助ではないこと

  • 本人以外の家族の分の洗濯、調理、買い物、布団干し
  • 本人がおもに使う部屋以外の掃除
  • 来客へのお茶出し
  • 自家用車の洗車

(出典:厚生労働省 老振第76号「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」平成12年11月16日。枚方市が掲載している通知の写し) https://www.city.hirakata.osaka.jp/cmsfiles/contents/0000046/46318/tsuuchi_houmon_76.pdf

頼めること・頼めないことの一覧

頼みたいこと介護保険のヘルパーに頼める?
本人がふだん使う部屋の掃除条件を満たせば頼める
本人の食事の調理条件を満たせば頼める
本人の生活に必要な買い物条件を満たせば頼める
大掃除・窓ガラス磨き原則として頼めない
家具の組み立て・移動原則として頼めない
草むしり・墓掃除原則として頼めない
家族の分の洗濯・調理原則として頼めない
粗大ごみの運び出し原則として頼めない

「頼める」ものでも、本人の状態や、同居する家族の状況、ケアプランの内容によって、使えるかどうかが変わります。くわしくは担当のケアマネに確認してください。

ここからは、私が実際に相談されたことを、1つずつ書きます。

大掃除。何でも屋を提案したが、子どもがしてくれることになった

大掃除は、通知にもはっきり「含まれない」と書かれています。

利用者さんとの雑談の中で大掃除の話が出たとき、私は何でも屋に頼む方法を提案しました。

ただ、結局は子どもがしてくれることになり、何でも屋を使うところまではいきませんでした。

墓掃除。代行業者を提案したが、子どもがしてくれることになった

墓掃除は、自宅の中のことではないので、介護保険のヘルパーには頼めません。

これも利用者さんとの雑談の中で出た話でした。私は、墓掃除を代わりにしてくれる業者に頼む方法を提案しました。

こちらも、子どもがしてくれることになり、業者を使うところまではいきませんでした。

ベッドの組み立て。「お金がかかるのが嫌」と言われた

ベッドの組み立ては、家具の移動や修繕と同じく、日常的な家事の範囲を超えることにあたります。

何でも屋に頼む方法を提案しましたが、「お金がかかるのが嫌」と言われ、使われませんでした。

なお、ここで書いているのは、自分で買ったふつうのベッドの話です。介護保険の福祉用具貸与で介護ベッドを借りる場合は、貸してくれる業者が運び込みや設置をしてくれます。

粗大ごみ。引っ越しのときに相談された

粗大ごみについては、引っ越しのときに相談されました。

私のケースでは最終的に、業者への依頼は家族がしました。

そのため、どんな業者に頼んだのか、料金がいくらだったのかまでは、私には分かりません。

他には、近所の方が善意で対応してくれたり、市役所に電話をかけて家の外に張り紙をして外に出しておくと回収してくれたりと様々なケースがあるようです。

頼み先は、子どもか、お金を払うサービスか

振り返ると、ヘルパーに頼めないことの頼み先は、子どもなどの家族か、お金を払うサービスかのどちらかでした。そして、相談を受けたケースでは、家族がしてくれることになるか、お金がかかることを理由に使われないか、家族が自分で業者に頼むかのどれかでした。

家族が近くにいて手伝えるなら、それがいちばん頼みやすいと思います。家族が遠くに住んでいる、仕事や子育てで時間が取れないといった場合は、自治体の支援やお金を払うサービスも選択肢になります。

お金を払うサービスを使うなら

ここからは、私が提案していたもの以外に、今あるサービスも含めて書きます。私が使ったことのあるサービスではないので、選ぶときの参考にしてください。

困りごとによって、頼める先は違います。1つのサービスで全部をまかなえるわけではありません。

大掃除や日々の家事は、家事代行サービス

私が提案していたのは何でも屋でしたが、今は、掃除などを頼める家事代行サービスもあります。介護保険ではないので、全額自己負担です。サービスによって、使える地域や料金、頼める作業が違います。家具の組み立てや墓掃除、粗大ごみの運び出しには対応していないことも多いので、頼む前に確認してください。

粗大ごみは、まず自治体に確認する

粗大ごみは、まず住んでいる市区町村の粗大ごみ回収を確認してください。自治体によっては、高齢の方などを対象に、家の中からの運び出しを手伝う仕組みがあるところもあります。

それが難しく、業者に頼む場合は、許可を持った業者かどうかを確認してください。家庭から出るごみを業者が回収するには、市町村の「一般廃棄物収集運搬業の許可」か、市町村からの委託が必要です。許可のない業者に頼むと、不法投棄や高額な請求のトラブルにつながることがあります。

(出典:青森県「不用品回収業者について」) https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/shigen/fuyouhinkaisyu.html

墓掃除は、墓掃除の代行業者

墓掃除を代わりにしてくれる業者もあります。お墓がある地域で対応している業者を探すことになります。

まとめ

訪問介護のヘルパーに頼めるのは、本人のための、日常生活の援助が基本です。大掃除や家具の移動、本人以外の家族の分の家事などは、一般的に介護保険の範囲に含まれないとされています。

ケアマネだった私は、そうした相談を受けたとき、何でも屋や代行業者に頼む方法を提案していました。ただ、子どもがしてくれることになったり、「お金がかかるのが嫌」と言われたりして、私が提案した頼み先が実際に使われることはほとんどありませんでした。粗大ごみのように、家族が自分で業者に頼んだこともありました。

ヘルパーに頼めないことがあったときは、家族で対応できるかを確認し、難しい場合は、自治体の支援制度や民間のサービスを考えてみてください。民間のサービスを使うときは、料金と、頼める作業の範囲を確かめてから決めてください。何を頼めるかが分からないときは、担当のケアマネに相談してみてください。

はんぱぱ

介護福祉士。介護職20年、5回転職。特養、小規模多機能、デイサービス、居宅ケアマネを経て、現在はデイケア勤務。一度は業界を離れ、2年後に戻りました。辞めることも残ることも、どちらも選択肢として書いています。

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