辞めたい・悩み

特養を辞めたい。2年半働いて限界だった夜勤と利用者対応の話。

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「特養を辞めたい」

そう思いながらも、

「どこの介護施設に行っても同じなんじゃないか」
「夜勤手当がなくなったら給料が下がる」

そんな理由で、なかなか転職に踏み切れない人もいると思います。

私は介護職として働き始めた最初の職場が特別養護老人ホーム(特養)でした。

働いた期間は約2年半です。

結論から言うと、私は特養を辞めました。

・1人夜勤
・明け方に集中するオムツ交換や更衣
・徘徊する利用者の見守り
・弄便への対応。

夜勤が終わっても、欠勤者がいれば昼近くまで帰れないこともありました。

そして一番後悔しているのは、辞める直前には利用者への対応まで粗くなっていたことです。

あれから職場を何度も変えながら、介護の仕事自体は20年続けています。

だから今は、

「特養がつらい=介護職に向いていない」

ではなかったと思っています。

この記事では、私が特養を辞めたいと思った理由と、それでもすぐに辞められなかった理由、20年経った今だから思うことを書きます。

特養を辞めたいと思った一番の理由は夜勤だった

私にとって、特養勤務で特につらかったのが夜勤です。

単純に「夜に働くのが大変」というだけではありませんでした。

生活そのものが不規則になります。

夜勤前に寝ようと思っても、普段なら起きている時間なので簡単には眠れません。

職場には仮眠用のベッドもありましたが、私はほとんど眠れませんでした。

「何かあったら起きないといけない」

そう思うと、横になっても熟睡できません。

ベットや枕が変わると寝れない、という私個人の性質もあったと思います。

そして、眠れないまま明け方を迎えます。

明け方のオムツ交換・更衣・移乗ラッシュがきつかった

私が特に嫌だったのが明け方です。

利用者が起き始めると、

オムツ交換、更衣、離床、車椅子への移乗などが一気に始まります。

夜勤で疲れている状態からの、この時間帯が本当にきつかったです。

夜中に何事もなく休めていればまだいいのですが、毎回そうなるわけではありません。

徘徊があり、見守りが必要な利用者がいれば、落ち着いて休むこともできません。

弄便があれば、本人の清潔保持だけでなく、汚れた衣類や寝具、周囲の対応も必要になります。

夜勤の終盤になるほど疲れているのに、仕事量はむしろ増えていく。

私にとって、特養の夜勤で一番つらい時間でした。

1人夜勤も、2人夜勤も違うつらさがあった

1人夜勤には、

「何かあったら自分で対応しなければならない」

という不安がありました。

利用者の状態が急変する可能性もあります。

転倒などの事故が起こることもあります。

もちろん、必要に応じて他職種や上司などに連絡することはできます。

それでも、その場にいるのは自分です。

経験が浅かった頃の私には、それがかなりのプレッシャーでした。

一方で、2人夜勤なら楽かというと、必ずしもそうではありませんでした。

一緒に入る相手との相性があります。

苦手な相手と、長時間、2人だけで働く。

相手は上司のこともあれば、同僚のこともありました。

どちらにしても、その晩は逃げ場がありません。

「今日は誰と夜勤なのか」

勤務表を見て、それだけで気持ちが重くなることもありました。

夜勤そのものより、誰と組むかで負担が変わる。

それが2年半続きました。

利用者からのセクハラ発言にも消耗した

介護職なので、排泄介助をしないわけにはいきません。

しかし、利用者との関係で精神的にしんどいこともありました。

私の場合、セクハラにあたるような発言をしてくる利用者のオムツ交換をすることもありました。

仕事だから対応する。

そう割り切ろうとしても、何を言われても何も感じないわけではありません。

また、弄便のある利用者への対応も大変でした。

便で汚れた本人の身体をきれいにして、衣類や寝具なども交換する。

当然必要な介助です。

ただ、夜勤で疲労が溜まった状態で何度も対応していると、精神的にも身体的にも削られていきました。

今なら「利用者だから仕方がない」で介護職側がすべて我慢するのではなく、職員側の負担についても考える必要があると思っています。

欠勤者が出ると、夜勤明けでも帰れないことがあった

夜勤を乗り切れば帰れる。

そう思って働いていても、必ず予定通りに帰れるとは限りませんでした。

日勤の職員が欠勤すると、夜勤明けの職員が残らなければならないこともありました。

ただでさえ一晩働いています。

そこからさらに仕事をする。

私にとってはかなりきつい勤務でした。

そして、夜勤の負担が仕事だけで終わらなかった出来事もあります。

夜勤明けの帰宅中に車で事故を起こした

私は夜勤明けに車を運転して帰っていました。

その帰宅途中に、事故を起こしたことがあります。

幸い、大きな事故にはなりませんでした。

そして、この一件だけで「夜勤をすると事故を起こす」と言うつもりもありません。

ただ、少なくとも私自身は、夜勤明けの運転では普段とは違う疲労を感じていました。

それでも当時は、

「夜勤のある介護職なら仕方ない」

くらいに考えていたと思います。

今振り返ると、仕事の負担が職場の中だけで終わらず、帰宅時の安全にまで影響していたことは、もっと重く考えるべきでした。

それでも特養をすぐに辞めなかった理由

ここまで書くと、

「そこまで嫌だったなら、もっと早く辞めればよかったのでは?」

と思われるかもしれません。

私自身、今ならそう思います。

それでも当時は、簡単には辞められませんでした。

理由の一つが夜勤手当です。

夜勤は嫌でした。

できればやりたくありませんでした。

でも、夜勤をすれば手当がつきます。

夜勤のない職場へ転職すれば、その分だけ給料が下がる可能性があります。

当時の私には、

「夜勤をやめたい、でも給料が下がるのも困る。」

という気持ちがありました。

だから、つらくても続けていました。

今考えると、給与だけを比較するのではなく、

「この働き方をあと何年続けられるのか」

まで考える必要があったと思います。

一番後悔しているのは、利用者への対応が粗くなったこと

特養を辞めたこと自体には、後悔していません。

後悔しているのは、もっと早く辞めなかったことです。

なぜなら、辞める頃には利用者への対応まで粗くなっていたからです。

最初から利用者に雑な対応をしようと思って介護職になったわけではありません。

それでも、夜勤や人間関係、利用者対応などで余裕がなくなっていくうちに、自分の介護にも影響が出ていました。

これは今でも反省しています。

ただ、介護職を20年続けた今振り返ると、同時に思うことがあります。

利用者への接し方まで変わってしまうほど余裕がなくなっているなら、「もっと頑張らなければ」と考えるだけではダメだった。

自分のためだけではありません。

利用者のためにも、環境を変えることを考えるべきだったと思います。

このときの後悔が、次の職場を短期間で辞める判断にもつながりました。

※あわせて読む:小規模多機能を1年もたずに辞めた話

特養を辞めても、介護職まで辞める必要はなかった

当時の私は、特養で働くことがつらくなり、

「自分は高齢者介護に向いていないのではないか」

というところまで考えていました。

実際に異業種で働いた経験もあります。

でも、結局介護業界で働き続けています。

小規模多機能、リハビリ系のデイサービス、ケアマネジャー、デイケアなど、職場や職種を変えてきました。

そして介護職としての経験は20年になりました。

だから今なら分かります。

私に合わなかったのは「介護職」ではなく、当時の「特養での働き方」だった部分が大きかった。

介護職といっても、働き方は一つではありません。

夜勤のある入所施設もあれば、基本的に日中勤務のデイサービスやデイケアもあります。

同じ介護施設でも、人員配置や利用者層、職場の雰囲気は違います。

一つの職場が合わなかっただけで、

「介護職そのものを辞めるしかない」

と決める必要はありません。

※あわせて読む:介護に向いてないと20年思い続けて、まだ辞めていません

「特養を辞めたい」と思っている人に伝えたいこと

私は「特養がつらいなら、今すぐ辞めた方がいい」とは言いません。

生活があります。

給料も必要です。

私自身、夜勤手当がなくなることを考えると、簡単には転職できませんでした。

ただ、私のように、

「仕事に行くのが嫌」

という段階を超えて、利用者への対応まで変わってしまっているなら、一度立ち止まって働く環境を考えてほしいと思います。

私は辞めるのが遅かったと思っています。

転職するかどうかは、その後に決めてもいい。

まずは、

「特養以外ならどんな働き方があるのか」

「夜勤なしなら給料はいくらになるのか」

「今より自分に合う職場はあるのか」

を知るだけでもいいと思います。

私は転職を繰り返し、現在の職場は転職エージェントを利用して決めました。

転職することを決めてから求人を見るのではなく、今の職場しか知らない状態をやめるために、他の選択肢を見ておくという使い方もできます。

まとめ 間違えたのは辞めたことではなく、辞める時期だった

私は特養で約2年半働き、辞めました。

夜勤がつらかった。

1人夜勤が不安だった。

明け方の介助ラッシュが嫌だった。

利用者対応にも消耗しました。

それでも夜勤手当がなくなることが不安で、なかなか辞められませんでした。

結果として、利用者への対応が粗くなるところまで余裕をなくしてしまいました。

辞めたこと自体は、間違いではありませんでした。

間違えたのは、そこまで我慢したことです。

限界の手前で動いていれば、あの後悔は残らなかったと思います。

これが、介護職を20年続けた今の私の答えです。

今つらいと感じているなら、まだ辞めるかどうかを決めなくて構いません。

ただ、自分がどのあたりまで来ているのかは、一度立ち止まって見てください。

私はそれをしなかったので、遅れました。

※あわせて読む:介護職を辞めたいのは甘え?5回転職した私が思うこと

はんぱぱ

介護福祉士。介護職20年、5回転職。特養、小規模多機能、デイサービス、居宅ケアマネを経て、現在はデイケア勤務。一度は業界を離れ、2年後に戻りました。辞めることも残ることも、どちらも選択肢として書いています。

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